今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
母親が階段を降りていく音を聞きながら、俺は目を強く瞑った。
なんで、俺が病気なんだ……
なんで、俺、生きてんだ……
『………せいちゃん!せいちゃん!』
誰かが俺の名前を呼ぶ声がする。
てか、“せいちゃん”……?
俺の名前は、結城清也だけど……
清也だから、せいちゃん、か……
『せいちゃん!』
名前を呼ぶ方へと顔を向け、ユックリと閉ざされている瞼を開いていく。
そして目からの情報をかき集める。
三つ編みをした女の子が俺を見つめながら、ニコニコと微笑んでいる。
一重で大きな瞳の奥はキラキラ輝いていて、真っ白な肌にぷっくりとした唇。
……誰だ?
『せいちゃんの寝顔、見ちゃった』
そう言って、微笑む女の子は俺と同い年くらいなのか?
少し幼さも残った雰囲気、年下か同い年かー……
『せいちゃん、せいちゃんの寝顔を見れたのは嬉しいけど、こんな所で寝ていたら風邪を引いちゃうよ?』
さっきから、この女の子は俺をまるで知ってる人のように接してくるんだけれども。
俺は知らないんだー……
でも、なんか昔から知ってるような、そんな感覚があるんだ。