今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる






『せいちゃん、私ね?

 今朝、夢を見たの』








『どんな夢?』





その時、俺がそう答えた。



でも不思議な現象が起こったんだ。



何故なら、確かに俺の口からそう言葉が放たれたはずなのに、でも俺が意図して言った訳じゃない。







………なんだ?










『あのね、お母さんがお父さんと結婚する時に着た花嫁衣装を着て、結婚式をしてる夢』







………なんだ?




俺が困惑しているのに、この女の子は気が付いていないのか?



そう思えてしまうほど、女の子は何事もなかったように、ただ微笑んでいた。












『誰と結婚したの?

 雪ちゃん、好きな人いるんだ』






………雪ちゃん?



てか、また俺が意図していないのに、口が勝手に開く。


………なんだ?



一体、俺の体はどうなってる?












『いるよ。ずっと、ずっと、どうしようもないくらい好きな人、いるよ』







そう言った女の子は照れもしないで、真っ直ぐそう言う。



真っ直ぐな言葉と、真っ直ぐな視線……これはどう見ても俺のことが好きなのか、そう思える。









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