今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる






『雪ちゃんの好きな人って誰?』







俺の口から出る言葉。



俺の口から出た言葉に、目の前の女の子も呆れたような顔を見せてくる。




おい、俺!


なんとなくだけど、この子の視線を見ていれば感じるものがあるじゃんか!






………って、ただ単に気が付いていない振りか。












『……せいちゃん、本当に分からないの?』






『雪ちゃんの好きな人って、もしかして守?』











………俺、絶句。



これはわざと言ってるとか、そんなんじゃなくね?




これはマジで言ってないか、俺………








………ん?



でも、待てよ。






確かに俺の口から出てる言葉だけど……


なんで心の中で思ってることと、口から言ってることが違うんだ?







“雪ちゃん、好きな奴いたんだな……”




それは、俺の考えるという作業を一瞬にしてフリーズさせる声……




声、でも口から出ていった声ではなく、どこか俺だけにしか聞こえなかった感じだ。





その証拠に、目の前の女の子はこいつの言葉になんの反論もしない。









………どういうこと?








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