今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







『せいちゃん、本当に鈍感過ぎるよ……。

 少しはさ、幼馴染としてずっと一緒にいるんだから、私の気持ちくらい、気付いてよね……』






目の前の女の子はションボリという顔で、俺を見つめてくる。





………やっぱな。



てか、さすがにここまで言われたら、さすがに俺も分かるっしょ。












『………分かりません。

 幼馴染でずっと一緒にいるから、と言われても……他人の心までは分からないよ』









………え。



これ、またもや俺が意図したわけでもないのに、口が勝手に………







ん?







もしかして………




もしかして、だけど。





これ、俺……じゃない?






体は俺のもののように感じるけど、なんか意識だけが違うどこかにある……



上手くは言えないけど、そんな感じがする。









………ちょっと、待て!




いやいや、おかしいだろ!





確か俺、自分のベッドで布団被って目を閉じて………







そんで誰かの体に一体化してる………?







…………………へ…………まさか、な………。

















『もうせいちゃんなんか大嫌い!

 少しは女心を理解しろー!!』





女の子は頬を膨らませ、そう一方的に怒ると、そのまま走ってどこかに行ってしまった。








いやいや………




“走ってどこかに行ってしまった”、じゃねーよ!



そんなごゆるりと実況報告してる場合じゃねー。








てか、何、何が起こってこんなことになってんの?





え………俺、何がどうしちゃった感じ?





てか、俺、どうすれば戻れるわけ……俺のベッドに………











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