今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる











“言えって言われても……”





そう、この体の人物の戸惑いの声が心に聞こえてくる。










この人は雪ちゃんっていう女の子に話すんだろうか……



俺まで考えてしまう。









でも、それはすぐに話すタイミングがやってきてしまった。











『……せいちゃん!』




一人、校舎を出ていく姿を発見した人がそう呼びかけてくる。





そう、それはもちろん雪ちゃんっていう人……












『………せいちゃん!

 あのね……あの………』





何か気まずそうに話しかけてくる雪ちゃん。


その雪ちゃんの目は少し赤くなっているようにも見えた。














『……どうしたの?』






そう問いかければ、雪ちゃんっていう人は悲しそうに微笑んだ。





その微笑みを見てれば、絶対何かあったって分かる。







けれど、雪ちゃんっていう人は、




『…なんでもないよ』




そう、言うんだー……











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