今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







『小雪、何言ってんの?

 変な夢でも見たの?』







………夢……?



お母さんの言葉に、私はベッドの中で首を傾げる。





夢にしてはとてもリアルなものだった。



迫り狂う炎の熱も、捕まられた足首の痛みも、抱き抱えられた時に聞こえた心音……



あれが、夢……?



あんなにもリアルに感じることのできた夢を見るのは初めてだった。









『工場で働いてくれたら、確かにうちの家計は楽になるわね』





お母さんはそう言い、私の部屋から出ていく。





お母さんが言う、“工場で働いてくれたら、確かにうちの家計が楽になる”というのは本音だろう……




一か月前、土木作業をしていたお父さんが工事中の事故に巻き込まれ、意識不明の重体で病院にいるから。



稼ぎ手であったお父さん、会社からも少額の賃金が出てはいるが生活は苦しく、お母さんもパートとして仕事に出ることになった。





そんないきさつがあるからこそ、高校生になった私にバイトしてもらいたい、お母さんはそう思っているのだろう。











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