今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







『雪ちゃんの欲しいものって何?』






“今、用意出来るものなら、悔いを残さないためにも贈ってしまいたい”












『せいちゃんには絶対内緒!』





清二さんは自分がここのいられる間に誕生日のお祝いをしたい、そう考えているのに。



雪ちゃんは“内緒”と意地悪く微笑みながら、そう答える。











“頼む、出来ることなら、今すぐに教えてほしい。

 残された時間に、雪ちゃんの笑う顔を沢山見ておきたい”










『内緒と言われると気になるな…。

 じゃ、来年の雪ちゃんの誕生日に教えてよ?』








“今年ダメでも、来年の雪ちゃんの誕生日までは僕も生きてるよな……。

 そうしたら、来年の雪ちゃんの誕生日に、雪ちゃんの欲しいもの……。

 きっと、多分……来年はまだ生きてるよな……”












『やだ』












『え、欲しいものなんでしょ?


 だったら、来年の雪ちゃんの誕生日に贈るよ?』







“来年の誕生日もダメなの?

 再来年……再来年の誕生日まで生きてる……かな……”










『来年の誕生日じゃ、せいちゃんは用意出来ないよ。


 そうだな……せいちゃんが18歳を過ぎたら教えてあげる!


 それまでは……せいちゃんに用意してもらえるように、私頑張る!』









“どうして僕が18歳になったら……なんだよ。

 僕が18歳になるまで、あと二年もある……。

 あと二年……僕は生き残って………”









18歳になったら……18歳になったらなんだって言うんだ?



18歳を過ぎたら叶えられる………18歳………男の18歳って言えば………




18歳って言ったら、「結婚が出来るようになる年齢」だよな……







…………結婚………!?













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