今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







“18歳、それが僕の勘違いでなければ……。

 けれ僕は生きているだろうか、生きてそれを叶えることが出来るのだろうか”







“けど、雪ちゃんの顔を見ていると、その笑顔を奪いたくない。

 限られた時間の中、一つでも沢山の雪ちゃんの笑顔が見たい。

 僕は僕のために、嘘でも雪ちゃんを笑わせたい……”













『じゃ、僕が18歳になったら。

 雪ちゃんの欲しいものをちゃんと雪ちゃんに贈るよ』







清二さんの言葉に、雪ちゃんは驚いた顔を見せて、それでもすぐに花が咲いたかのように可愛らしく微笑む。





“そう、僕はこんな笑顔を見たかった”




そして清二さんはそっと手を伸ばし、雪ちゃんの手に絡ませる。












『じゃ、約束!

 18歳になったら、私の欲しいものを頂戴ね』






とても嬉しそうな顔で、そう言う雪ちゃんは本当に可愛らしくて。



清二さんの目を通して、俺の心もドキドキし始めた。












『いいよ、だから僕が18歳になったら、雪ちゃんも僕との約束、守ってね』






“約束を守れないのは僕の方。

 約束を果たせないのは、きっと僕だ。


 けれど、約束という言葉を出すと雪ちゃんは本当に嬉しそうに笑うから。

 もし僕が18歳を無事に迎えることが出来たのなら、その時は雪ちゃんをもらう、そう僕も思っていいのか……”









守れない約束なんて、果たせない約束なんて、約束を交わした人が辛くなるだけ。


清二さんの心の声を聞く度、清二さんだって理解してる。


一度軍に入隊すれば、戦地に赴けば、それは“死”が直結する。





それでも、それでもこの笑顔を見たくて………












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