今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
お母さんが部屋を出ていく姿を見つめながら、私は先程まで見ていた夢の内容を思い出す。
私の体全部で感じた、あの炎の熱も、私の鼻が嗅ぎ取った生臭さと焦げくさい匂い、私の耳が聞き入れた叫び声と呻き声……
未だにこんなにも思い出すことのできる、これが本当に夢、なんだろうか……
『小雪ー!早くしてね!』
階下から叫ばれ、私はいそいそとベッドから降り、適当に洋服を着ていく。
お婆ちゃんの家に行くだけ、だからお洒落なんてしなくてもいい。
私は簡単にお財布とスマホ、昨日のうちに用意していた荷物を持ち、部屋を飛び出していく。
私が階段を降りていくと、お母さんの姿は既に玄関にあり、私も玄関へと駆け寄る。
『あ、そうだ、小雪!
悪いんだけど、お婆ちゃんの様子次第によっては小雪がお婆ちゃんの面倒を見てね?』
お母さんの突然の言葉に、私はお母さんを驚いた顔で見つめる。
『だって、お母さん、仕事の関係でそんなに長く休んでられないもの。
だから、お婆ちゃんの様子によっては小雪に任せるから』
お母さんはそう言うと玄関に置いてあった荷物を持ち、外に停めてある車に積み込んでいく。
私は遅れまいと自分の持っていた荷物を車に積み込み、助手席に座った。