今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
渋々といった顔で玄関まで移動すると、そこには守の姿があった。
『………守?』
呼びかけると、親友が視線を向けてくる。
『………清二、お前さ……。
志願書のこと、雪に話したのか?』
守と呼ばれた少年は、地面に俯きながら、そう問いかけてくる。
『…………いや。言ってない、それに言うつもりもない』
『………わりぃ……。さっき帰る時に雪に見られた……』
『……何を?』
守という人物の言葉に、清二さんが明らか動揺しているのが伝わってくる。
俺も何故だが妙な緊張感が背中を走る。
『歩いている途中で雪にぶつかって……その拍子に志願書が地面に落ちて……』
その志願書を、拾ったのが雪ちゃん、とか……
そういう流れでこないよな……いや、こないでほしい……
『わりぃ……俺より先に雪の方が拾うのが早くて………見た………志願書……』
こうだったらいいな、とか。
あんな風に出来たらいいな、とか。
そういうのはいつも叶わないくせに。
こんな風に隠し通したかったこと、とか。
こんな風に当たってほしいくないこと、とか。
そういう予想はいつも当たるー………