今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる





渋々といった顔で玄関まで移動すると、そこには守の姿があった。









『………守?』




呼びかけると、親友が視線を向けてくる。








『………清二、お前さ……。

 志願書のこと、雪に話したのか?』






守と呼ばれた少年は、地面に俯きながら、そう問いかけてくる。










『…………いや。言ってない、それに言うつもりもない』








『………わりぃ……。さっき帰る時に雪に見られた……』









『……何を?』





守という人物の言葉に、清二さんが明らか動揺しているのが伝わってくる。



俺も何故だが妙な緊張感が背中を走る。









『歩いている途中で雪にぶつかって……その拍子に志願書が地面に落ちて……』







その志願書を、拾ったのが雪ちゃん、とか……


そういう流れでこないよな……いや、こないでほしい……











『わりぃ……俺より先に雪の方が拾うのが早くて………見た………志願書……』









こうだったらいいな、とか。


あんな風に出来たらいいな、とか。


そういうのはいつも叶わないくせに。





こんな風に隠し通したかったこと、とか。

こんな風に当たってほしいくないこと、とか。


そういう予想はいつも当たるー………









< 130 / 150 >

この作品をシェア

pagetop