今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







『………そっか………』







『雪に聞かれた。清二もこの志願書をもらったのかって……』







『……………………』










『俺、だから答えたよ。お前もこの志願書をもらってることも志願兵になることも……』











………だから、か。




だから、雪ちゃんっていう人は“戦争に行かない?”と聞いてきたんだ。




この親友の言葉を否定してほしくて、“違うよ”って言ってほしくて。











『………雪、知ってるぞ………』









“だから、あなたは泣きそうな顔で、震える声で問いかけてきた。

 雪ちゃんが既にこの事実を知っていると言うのなら、僕は雪ちゃんにきちんと話しておいた方がいいのだろうか……”













『………………そっか。』







『……………わりぃ……』








『いや、話すもタイミングというか……どう切り出していいか分からなかったから、ちょうど良かった』










『……………わりぃ……』








どちらともなく言葉が詰まる。



会話のなくなった二人の空間。











『せいちゃん、遅い!』






その沈黙を破ったのは、まさかの雪ちゃんー………















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