今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







『なぁ……母さん。

 婆ちゃんの兄貴って、確か鷲尾清二って言うんだよな?』





俺が問いかけると、母さんは俺から離れ、そして首を傾げる。









『……そうだけど、清二さんが出てくる夢を見てたの?』










『………そう、清二さんが志願兵になるって決めた時の……』










『え、なんで清二さんが志願兵になったことを知ってんの、清也が……』








母さんに問いかけられ、もちろん答えてやりたい。




でも、けど、清二さんの体に入り込んで、その情景を見てきたなんて信じてもらえないだろ……












『………たまたま夢に見ただけだよ』





俺がそう答えると、母さんは俺のベッドの恥に座り込んだ。











『清也が清二さんの夢を見るなんて……。

 遺影で見たかな、ってだけなのにね。


 優しくて、正義感の強い、素敵な兄だったと婆ちゃんに聞いたことあったけどね……』









優しくて、


正義感の強い………







そうかもしれないー……






優しいから、大好きな人を守ろうとした。



正義感の強い人だから、大好きな人を守るために、志願兵になったー……












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