今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『この作戦が決定し、大本営は作戦完了までに費やす時間は三週間足らずと踏んでいて、その為の兵士は20日分の食料、240発程の弾薬、6発の手榴弾のみの配給だった。
そして彼らはそれを背負い、過酷な自然環境の中を歩き続けた。
背負う重さは40キロを超え、ジャングルや険しい山脈、泥水のあふれかえる河を越えて延々一千キロ、しかも的に見つからぬよう夜でも明りはつけずに夜通しで歩くの。
そんな苦労を重ね、ようやく山脈のふもとまで辿り着いた、けれどこれは本当に序章に過ぎなかった』
『……序章に過ぎなかった……って………今の話でも十分な話じゃん………』
『その山脈の連なりを越えていくのに、日本軍は大砲など重機と呼べるものは持っていくことが出来ない、トラックなどは全て分解して人力で運んだの。
自分の背中には40キロを超えるものがあって、夜通し歩き続けることでの疲労、それに重なったもので文句の一つだって出てもいいはず。
けれど誰も文句を言うこともなく、その苦しい重労働に従事した。
人だけではない、物資の運搬を担っていた牛や馬、そして羊たちでさえも過酷な重労働を科せられ、それに耐えきれずに死んでいった。
チンドウィン河を渡る際には、牛や馬、羊たちの半数近くが溺れ死んだらしいわ……。
さて、物資運搬用として連れてきた牛や馬、羊。
彼らが減ることはどういう意味でしょう?』
それは、つまり……
目的地に着くまでは兵隊一人が受け持つ荷物の量が増え。
目的地に着いた後の食料が減るー………