今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







生まれ故郷を離れ、異国の地で朽ち果てた。



それはどれだけ無念なことだっただろうか。




せめて、家族の元に帰りたいー……



そう思って仕方なかっただろうに……。












『彼らだって、私たちと同じ人間よ。

 きっと、危ない目に遭えば遭うほど“生きたい”と思ったと思うの。

 それでも彼らは生きることが出来なかった……。



 私はね、その話を聞かされた時、流産を経験した時で。

 産めなかった苦しみに、逃れたいと、楽になりたいと思っていたの……。


 赤ちゃんは死んで、私は生きて……そんなのおかしいじゃない……。

 子どもは何よりも宝、大切なものなの、それなのに子どもが……だなんて。


 でも、私はこの話を聞いて……またあの子を私が産んであげればいいんだって……そう思ったの。

 赤ちゃんが死んで、私が生き残った、それはきっとそういう意味なんだって……』










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