今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる





『あ、あれ?

 あそこは確か、海軍直属の工場で、女学生が集められて、あの中で武器を作っていたとかって聞いたことあるけど…あそこがどうかしたの?』





お母さんは首を傾げながら私に問いかけてくる。



“海軍直属の工場で、あの中で武器を作っていた”……?










『ね、お母さん!あそこ、“軍需工場”って言うやつ?』




確か、夢の中で私を助けてくれた少年が“軍需工場”と言っていた。


火薬が火薬庫に沢山あるから火が回ったら大爆発するって……



見覚えのある、その建物を見つめ、私はお母さんに問いかけた。









『小雪、よく知ってるね。学校も細かいところまで教えるようになったのねー』




お母さんは呑気にそんなことを言い、車を再び走らせた。





お母さんが車を走らせるたびに、その建物が遠ざかっていく。









『そういえば、お母さんのお母さん、つまり小雪からするとお婆ちゃん。お婆ちゃんもあそこの軍需工場で働いていたのよ』





お婆ちゃんがあの工場で働いていた……?






『お婆ちゃんが?』





『そうよ。昔はね、工場のお務めは男性が担っていたんだけど、戦争が始まって男性は兵隊さんとして戦地に赴いたでしょう?

 男性がいなくなった後を、そうね……小雪と同い年くらいの女の子たちが集められて、あういうところで武器作りを担っていたんですって』







軍需工場……


武器作り……火薬………




あの夢……















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