今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
あの夢………
『アメリカに戦争を仕向けたのが間違いだったのよ……。
武器の性能の良さも、レーダーも何もかもがアメリカが上回っていたのに、あんな大国を敵にするのが最初から………』
お母さんはそう言って、口をつぐむ。
『ま……もしあの工場が気になるなら、お婆ちゃんの面倒を見ながら、お婆ちゃんに聞いてみるといいわ』
それだけ言って、お母さんは真っ直ぐを前を見ながら運転する。
私はその横で、もう一度だけ工場の方に目を向ける。
もう小さくなっていくその建物を見ながら、夢で見たあの建物を重ねていく。
あの夢を何故、私は見たのだろう……
あの夢が私に何を伝えようとしているんだろう……
しばらくしてある一軒家の前でお母さんは車を停めた。
『小雪、お婆ちゃんの家に着いたよ』
フロントガラスから見る、懐かしいお婆ちゃんの家。
あの玄関も、あの松の木も、あの桜の木も、記憶の中にある、お婆ちゃんの家。
私は車から降り、そのまま玄関まで走っていく。
『こんにちはー!』
いつもより大きめの声を出すと、中から“どうぞ”という声が聞こえた。