今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『お邪魔します!』
私は玄関の扉を開ける。
そこには杖でなんとか立っているお婆ちゃんの姿。
『お婆ちゃん!体大丈夫!?』
私は中に入ると同時に、お婆ちゃんに問いかけた。
『…………久しぶりだね、小雪ちゃん』
お婆ちゃんは私の顔を数秒見つめたまま。
そしてハッとした顔をして、いつもの優しいお婆ちゃんの顔になった。
その数秒間の間、お婆ちゃんは何か驚いた顔をしていたようにも思えたんだけど、私はお婆ちゃんに近寄る。
『お婆ちゃん、久しぶり。
お婆ちゃんの具合が悪いって聞いて、お母さんと来たんだよー』
『そうかい。すまないね……せっかくの夏休みだと言うのにね。
さぁ、中に入りなさい』
お婆ちゃんはそう言って、優しく微笑みながら手招きしている。
お婆ちゃんの言葉に甘えて私は靴を脱いで、家の中へと上がらさせてもらう。
少し遅れてお母さんが車から荷物を運んできて、私が先に家の中に入ってることを不満そうに玄関から叫ぶ。
『こら、小雪!自分の荷物くらい、自分で運びなさい!』
『あ、ごめーん』
謝りながらも奥へと入る私に、お線香の匂いが漂ってきた。