今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『小雪ちゃんは本当に雪そっくり。
さっきも小雪ちゃんの顔を見た時、雪が帰ってきたのかと思ったわ……』
お婆ちゃんの言葉に私自身も納得する。
だって雪さんの遺影を見た、その時から私だって思うもの。
私と雪さん、瓜二つという言葉が当てはまるくらいにそっくりなんだもの。
『お婆ちゃん、雪さん…って空襲で亡くなったって言ってたよね?』
『……そう。せいちゃんの妹と防空壕まで逃げる途中にね……。
アメリカの機銃掃射からせいちゃんの妹を助けようとして……』
お婆ちゃんは遠い日のことを思い出すかのように、目を細めて、どこか遠いところを見つめている。
そんなお婆ちゃんの横顔を見つめながら、私はお婆ちゃんの発した“せいちゃん”の言葉が気になってしまう。
確か夢の中で私を助けてくれた少年を私は“せいちゃん”と呼んでいたからー………
『……お婆ちゃん……“せいちゃん”って……誰?』
私の問いかけに、お婆ちゃんは顔だけこちらに向けて、私を微笑ましく見つめる。
『せいちゃんは、鷲尾清二さんって言ってね、私と雪の幼馴染なの。
そして……雪の初恋の人、だった……』
“せいちゃん”
“幼馴染”
“雪の初恋の人”
その全てのワードが胸に突き刺さるー……