今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『戦争はね、小雪ちゃん……。
人の心を変えてしまうの。
人間本来が持っていた道徳心も何もかも……全てを変えてしまうの。
ううん、変えなければ、あの時代を生きることは出来なかったのかもしれない……』
お婆ちゃんはそう言うと、再び仏壇の前に立ち、そして雪さんの位牌の横から黒い小箱を取り出す。
そこには雪さん宛てに届いた何通ものはがきが入っていて、お婆ちゃんはそこから一枚のはがきを取りだした。
『これはね……雪とせいちゃんがそんな時代の中でもお互いの想いを通わせた証。
もし……あの二人が生きて、終戦を迎えたのならば……』
お婆ちゃんはそう言って、私にそのはがきを差し出してきた。
『読んでもいいの?』
『いいよ』
お婆ちゃんの返事に私ははがきの裏面に目をやる。