今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる




目に入る文章はたったの6行……





細田 雪 様


お元気ですか。


幸子のことまで世話をかけて申し訳ない。


僕は日本国のために、必ず敵を討ちます。


どうか、どうか、お元気で。



鷲尾清二










『それはね……せいちゃんが雪に最後に送ってくれた手紙の内容なの』






私が読み終えたことを雰囲気で感じ取ったのか、お婆ちゃんはそう呟く。




耳に入る言葉、私は“最後”というのがどうしても気になってしまった。










『……これが……最後の手紙の内容なの……?』





さっき、お婆ちゃんは想いを通わせた……そう言ってた。



けど、この手紙の中には“好き”も“愛してる”も書かれていないじゃない……




私は眉間に皺を寄せ、お婆ちゃんに問いかけた。









『こういう手紙というのはね……検閲といって、届く前に重要機密事項などが書かれていないか確認されてしまうんでね。本音なんてなかなか書けなかったんだよ』






好きな人に送る手紙にそんなことさえ書けないの?




好きな人からこの手紙を送られてきた雪さんは、こんな内容で嬉しかったのかな……?









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