今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『軍需工場の火災……小雪ちゃん、何か他に見なかったかい?』
お婆ちゃんの声色も少し怖く感じる、けれど私はお婆ちゃんから目が離せなかった。
『私が目を開くと、もう既に火災は起きてた。
どうして火災が起きたのかは分からなかったけど、知らない女の子が大きな怪我をしていて血だらけの手で私の足首を掴んで助けを求めてた……。
周りにいる人達は……全身血だらけの人もいたし、下半身がないのに上半身だけで炎から逃れようとしている人もいた……辺り一面、誰のものか分からない手や足がごろごろ落ちていて……それに足をとられながらも炎から逃れたくて走って……。
出口まで来たところで、セーラー服のような感じの黒地の服を着た男の子が助けてくれて……。
建物の上には小型の飛行機がいっぱい飛んでて……やっとどこかの建物の中に入れたのに……そこでは自殺する夫婦や親子の姿………』
そこまで言い、私は夢の中でも感じた、やるせなさ、恐怖心が再び蘇ってくる。
『小雪ちゃん、今、セーラー服姿の男の子って言ったね。
その男の子、もしかしてこういう子じゃなかったかい?』
お婆ちゃんはそう言うと、はがきが沢山入っている箱から一枚の写真を取り出し、それを私に差し出してきた。