今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『小雪ちゃんが見た、その火災、それから小型の飛行機……。
それは軍需工場が米軍の奇襲を受けた時のことなんじゃないかね。
私も小雪ちゃん同様の光景を見た覚えがあるしね。
それに小雪ちゃんに、せいちゃんの写真を見せるのは今が初めてだ。
それなのに小雪ちゃんは、せいちゃんを知っている。
もしかして、小雪ちゃんが見た夢は雪の記憶、なんじゃないかね…』
お婆ちゃんの言葉を真っ向から否定するつもりなんてない。
けれど“生まれ変わり”とか突然言われて、“そうだね”なんて簡単に受け入れられない。
私の見た夢が、雪さんの記憶……?
でも、もしその仮説が正しいのだとすれば……
初めて来た場所なのに、私はあの大きな扉を開けば外に出られると分かってた。
初めて会う人なのに、私は“せいちゃん”と呟いた。
初めて言葉を交わす人なのに、せいちゃんに会いたかったと言った、その全ての言動が繋がる気がした。
『……小雪が雪さんの生まれ変わり……?』
お婆ちゃんの言葉にお母さんも動揺していた。
“生まれ変わり”とか信じられない、そうだよ。
でも、私はその仮説が正しければ、全てが繋がる、そう思えたからこそ曖昧な表情をしてしまった。
そしてその様子を見たお母さんは戸惑ったのだろうと思う。
『………あの子、生まれ変わることを願っていたから……』
お婆ちゃんが寂しく、ぽつりと呟くその言葉に、私は俯く。
畳を見つめながら、雪さんの生まれ変わり説をどう受け止めればいいのか、その答えを必死に探していた。