今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『……ま…まぁ……とりあえず、ご飯にしましょ?
小雪もお腹すいたでしょ?』
お母さんはその場で立ちあがり、無理矢理な笑顔を見せながらそう言った。
私もお婆ちゃんも立ち上がったお母さんの顔を見つめ、私は“うん”とだけ答えた。
『さてさて、何がいいかなー』
なんて言いながらお母さんはキッチンの方へと向かう。
実家故に間取りは把握している、お母さんはいそいそとキッチンの方に行ってしまった。
再び、お婆ちゃんと二人きりでなんて話せばいいのか、悩むー……
『……小雪ちゃん、突然、変なことを言ってすまないね……。
小雪ちゃんがあんまりにも雪に似ているから、小雪ちゃんの姿に雪を重ねてしまって……あんなこと言っちゃったけど。
小雪ちゃんは小雪ちゃんだから。
さぁ、小雪ちゃんも向こうに行こう』
お婆ちゃんはそう言って、なんとか立ち上がると杖をつきながらキッチンの方へと向かった。
一人取り残された部屋で、私はもう一度雪さんの遺影を見つめる。
『私の見た夢は、雪さん…の記憶なんですか?』
遺影を見つめ、問いかけるも当然ながら返事なんてものはない。
私は仏壇の前に移動し、そしてお線香をあげた。
静まり返る空気の中、私は雪さんの位牌に向かって手を合わせた。
『もし雪さんの記憶ならば、何故私にその記憶を見させたんですか……?』
誰も返事をしてくれない、そんなの分かり切ってること、それでも私は答えを求めていたのかもしれない。