今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
キッチンに行くと、お母さんがそうめんを茹でていた。
鍋からたちのぼる湯気、そして熱気に今朝がたの夢を思い出す。
夢の中だって、すっごいリアルに熱を感じていた……
やっぱり、あの夢はただの夢なんかじゃなく、雪さんの記憶なのかもしれないー……
だから目から入る情報も、耳から入る情報も、鼻から入る情報も、肌で感じる情報もリアルだったのかもしれない……
『あ、小雪、ちょうど良かった。
お皿、お皿取ってくれる?』
お母さんに言われ、私は食器棚から必要枚数のお皿を取り、食卓に並べた。
その上に茹でて洗ったそうめんが盛られた。
『小雪、ご飯食べ終わったら、あの建物の近くに行ってきたら?』
お母さんは未だぼーっとしている私にそう提案してきた。
『…あの建物に?』
『雪さんの生まれ変わりかどうかは分からないけど。
あの建物に行ったら、何かまた分かることがあるかもしれないよ?』
………確かに。
あの夢の続きを見る、いや思い出すかもしれないし………
『………うん、散歩がてら行ってくる』
私はそう返事をし、目の前にあるそうめんを食べ始めた。
お母さんもお婆ちゃんも食べ始め、食べている間は無言だった。