今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『それは違いますよ、雪ちゃん。
神様はこの世におられるんです。
神様は姿を変え、いつも僕たちの傍におられるんです』
神様が姿を変え、いつも僕たちの傍におられる……?
鷲尾さんの言葉の意味を掴めていない私、そして雪さん自身もこの意味を理解していなかったのだろう。
私の心に聞こえてくる、雪さんの声ー………
『………もし、神様が本当におられるなら……どうしてせいちゃんは戦地に赴くのですか?
どうして……私はいつも……せいちゃんの身の心配ばかりするのですか……?
神様がいるのなら、その神様が神風を吹き上げてくれれば………そうしたなら………』
『先程も言いました、神様は姿を変えておられると。
この戦争で多くの兵隊が戦死しました、沢山の民間人が空襲で犠牲となりました。
神様はこの様子に心を痛めています、だから姿を変え』
『………せいちゃん。沖縄に行く………?』
私の口からポツリと飛び出した、雪さんの問いかけー…
その問いかけに、鷲尾さんはドキッとした顔を見せた。
…………沖縄?
私には雪さんの問いかけが何を意味しているのかが分からなかった。