今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『……雪ちゃん……』
『……雪ちゃん……』
段々と近づく距離に、鷲尾さんは雪さんの名前を呟いているようだった。
『………どうして……。
どうして来たんですか?』
走って、抱きついてきた雪さんに驚く鷲尾さんー……
『………せいちゃんは……今まで私のどんな約束も守ってくれました。
だから……最後に、私の最後の我儘だと思って約束してください…。
必ず、私の傍に帰ってきてくださると、約束してください……』
雪さんの言葉に、鷲尾さんは目を大きく見開き、雪さんを見つめている。
そんな鷲尾さんを顔だけ上げた雪さんが見つめている。
大粒の涙を溜めた、その瞳で、しっかりと鷲尾さんを見つめている。
『僕は、もう、雪ちゃんの約束を叶えられる保証はありません。
僕は……』
『……例えどんな形でも』
『雪ちゃんの所に帰る時、僕はもう幽霊かもしれません……』
『せいちゃんの幽霊なら怖くない。
だから、例えどんな形でも、どんな姿でも、私はあなたをお待ちしています。
だから……約束してください、私の元に帰ってきてくださると……』
『雪ちゃんと守れない約束をするのは心苦しい。
でも、その内容の約束なら僕も守れるかもしれない』
鷲尾さんはそう言って、雪さんの目から零れ落ちる涙を拭う。
でも、そんな鷲尾さんの目にも輝くものが見えた。