今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『………い………おいッ!』
ふと誰かが私の肩を揺すりながら、呼びかけているのに気が付いた。
呼びかけられていることは分かってる、けれどなかなか目が開かない。
『……おい!』
私を呼ぶ人は、私の頬を叩いた。
ペチペチという音が辺りに鳴り響く中、その人は何度も私に呼びかけていた。
段々とリアルになってくる頬を叩かれた痛み、それと煩いくらいの呼びかけ。
『………う……うん………』
ユックリと目を開いていく。
私を呼びかけていた人は、私が目を覚ましたことに気が付いたのか、私の顔を覗き込んできた。
段々と視界がハッキリしてくると、目の前に少年がいることが分かった。
少年………
少年………
ハッキリとその少年の顔が見えた時、私は体を勢いよく起こした。
だって、そこには………
その目元、その口元、その輪郭……どれをとっても、雪さんの記憶で見る鷲尾さんにそっくりだったからー……
『……………鷲尾さん………?』
私がそう呟くと、目の前の少年は怪訝そうな顔を見せる。
『鷲尾さん?俺、結城だけど。
てか、大丈夫なの?』
………結城……?
少年が放つ言葉に、私は少年の顔を見つめる。
こんなにも鷲尾さんにそっくりな顔をしているのに。
声だって、鷲尾さんにそっくりなのに。
『………すみません。
あ………私……』
『ここで倒れてたんだよ。
これだけの暑さの中で倒れてるから熱中症かと思って焦ったわ……。
意識なかったけど、大丈夫なん、あんた?』
少年は顔を近づけ、私を見つめる。
その端正な顔の造りに、ドキッとする。