今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『………あ……すみません……。
あの……もう大丈夫です……夢、見てただけだから……』
『夢?』
少年は眉間に皺を寄せ、私に聞き返してきた。
『……あ、はい………』
私がそう返すと、少年は意味分からないという顔、呆れ顔で私を見てくる。
……ですよね。
倒れていた人を必死で呼びかけていたところ、目を覚ましたかと思えば“夢をみていただけ”とか………
意味、分からないよね……
少年は私のすぐ近くにある石の上に腰かけた。
『………すみません……』
私がそう謝ると、少年は私の顔をまじまじと見始めた。
『………あの………何か顔についてますか……?』
私がそう問いかけると、少年はハッとした顔になり、視線を反らした。
『………あの………』
私がもう一度声をかけると、少年は地面に落ちている小石を見つめ、
『ねぇ、あんた、雪?』
………そう、問いかけてきた。