今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『………え……』
思わず少年の問いかけに、私は口を大きく開けてしまった。
それはなんともまずい顔だったんだろうか、少年は私のその顔を見た後でプッと軽く吹き出した。
『………あ、ごめん。
俺も最近、よく夢を見るんだ。
その夢の中に出てくる雪って人に、あんた似てたから。
どう考えても時代が違うんだけどさ……』
私は少年の言葉に自分の耳を疑った。
『あの………もしかして時代は第二次世界大戦の頃、とか……じゃないですか?』
私が問いかけると、少年は小さく“え”と漏らしながら驚いた顔になる。
『……なんで?
てか……え?』
『私も夢を見たんです。
第二次世界大戦中の日本…空襲から必死に逃げるところとか……とても大切な人を戦場に送るところとか…』
『俺が見る夢も第二次世界大戦の頃。
なんでか俺は海軍に志願して、戦艦大和に乗ってるんだよな…。
けどもっと不思議なのは体は自分のものなのに、自分のものじゃないみたいに、勝手に口が動いたり、手や足が動くんだよ。
…って、あんたに話しても理解してもらえないと思うけど…』
少年は私の顔を見て、そう話す。
私、この人が話すこと、分かる。
夢の中にいる自分は確かに自分の体。
でも意図していないのに口も手も足も勝手に動くの。
自分の意志や感情もある、けど別の誰かの感情や想いが心の中にぽっと現れる……