今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『……雪ちゃん、君は絶対に生きるんだ。
例えどんな状況でも生きることを諦めないで』
………少年の真面目な顔を下から見つめながら、私の心に生まれるドキドキ。
面と向かってこんな照れ臭い言葉を言われた事実にもドキドキする、けれどこの少年だからこそ言われて嬉しかった、そう思う自分がいる。
『………あの……あなたは何故、私を助けてくれるんですか……?』
息一つ乱さず、私を抱きかかえたまま走り続ける少年に私は問いかける。
すると少年は一度だけ顔を歪ませ、そして笑った。
『雪ちゃんは僕の大事な幼馴染だから。
雪ちゃんには生きていてほしいんだ』
そう言った時の少年の顔には悲しみが溢れていて、私は唾を呑みこむ。
……幼馴染………
何故だろう、少年と会うのは初めてなのに、それでも“幼馴染”という言葉に納得してしまうほどに私は少年と会いたかった気がする。
『……お会いしたかった……』
不意に私の口から洩れる言葉ー………
会いたかった気がするとは思った、けれど私は脳にそう口を動かせなんて命令していない。
けれど私の口から出た言葉に、その少年はニッコリと微笑んだ。
『僕も、雪ちゃんにお会いしたかった。
もう一度、雪ちゃんにお会いしたかったです』
何故だろう……
何故、少年の言葉がこんなにも私の心を熱くさせるのだろう……