今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『普通の女子高生です。
でも…私の夢にも鷲尾清二さん、出てくるから』
『鷲尾清二は俺の婆ちゃんの兄貴だったらしいんだ』
少年の言葉に妙に納得する。
だから容姿、声までもがそっくりなんだ。
『……そうですか…。
だから夢の中でお会いした鷲尾さんに容姿も声も似てるんですね』
『……あんたも俺の夢の中に出てくる雪っていう人に容姿も声も似てる。
だからかな……素通りしてもいいのに、なんか放っておけなかった…』
少年はそう言うと真っ直ぐな瞳でこちらを見つめてくる。
その真っ直ぐな瞳は、いつも夢の中で鷲尾さんが雪さんに向けているのと同じで、だから思ってしまう。
もし私が雪さんの生まれ変わりならば、この少年は鷲尾さんの生まれ変わりじゃないかって。
『………声をかけてくれて…本当にありがとございました』
その場に立ちあがり、私は深々と少年に頭を下げた。
少年はすぐに私と同じく立ち上がり、そして私の肩に触れた。
触れられたところから広がる、何故か懐かしく感じる温もり。
『なぁ。あんたの名前、聞いてもいい?』
少年の言葉に顔を上げると、照れ臭いのか、頬をちょっぴり赤く染めて、そっぽを向いている。
『…………寺本小雪です』
私が答えると、少年は驚いた顔をする。
『雪っていう人と名前まで似てんだな』
………確かに。
容姿、声、名前も“雪”と“小雪”………似てる。