今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







『雪ちゃんが生きていて、本当に良かった。

 雪ちゃんにはもっと生きてほしい、だからこそ僕はここへ来た』








『……あなたも私と一緒に……』





何故だろう………




もう二度とこの少年と離れたくない、そう強く願う自分がいる……










『僕はもう一度、あなたの為に闘いたい。

 あなたが怖い思いをしないよう、あなたの命が危険にさらされることのないよう、僕はもう一度敵地に……』








『…………私は怖くもありません。

 この命よりも、私はあなたの傍にいたい……』






何故、私の心はこんなにもあなたを失うことを恐れているの……



何故、私の口はこんなにもあなたを求めていると言うのか………











『では、約束しましょう。

 僕はもう一度、あなたを探し出します。

 例え何年かかろうと、何十年かかろうとも、僕はもう一度、あなたを見つけ、あなたの元に行きましょう。

 その時、もう一度、あなたのその言葉を僕にください』







少年の言葉に涙が溢れ、次第にその涙で視界が滲んでいく。





やっと会えた、そう思えた少年なのに。




滲んだ視界の先に、少年の姿が消えていくような気がした。











『約束しましょう。

 僕と雪ちゃんの約束、この約束だけは僕は必ず守ります』





その言葉と共に、私の周りで人の気配がなくなった。



何度も何度も目を擦り、涙を拭い、辺りを目で確認できた時、そこはどこかの建物だった。






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