今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる







『まぁ……俺たちが未練をなくすことが出来ればいいけどな。

 てか、鷲尾さんと雪さんの未練ってなんだろ……』






首を傾げながら考える素振りの結城君。



私はなんとなく雪さんの未練が分かる気がする。




鷲尾さんが関係する、そんな未練ー……












『鷲尾さんはやっぱ大和と沈んだこと、とかかな』





結城君はいかにも“分かった”って顔をして言うけど。




私は不意に鷲尾さんと夢で会った時、鷲尾さんがくれた約束が脳裏を横切る。






“では、約束しましょう。

 僕はもう一度、あなたを探し出します。

 例え何年かかろうと、何十年かかろうとも、僕はもう一度、あなたを見つけ、あなたの元に行きましょう。

 その時、もう一度、あなたのその言葉を僕にください”





この恋愛要素たっぷりの約束ー……





鷲尾さんももしかしたら雪さんとの約束を果たすために生まれ変わったんじゃないかな……








想い合っていた二人。



けれど時代がそんな二人の恋を遮った。



だから生まれ変わったら、その恋を……。













『………鷲尾さんも雪さんの未練もなんだろうね。

 けど、また夢を見るような気がするの。


 また夢を見たら、雪さんの未練も分かる気がする』






不思議とまた雪さんが記憶を夢として見せてくれる気がした。


でもそう思うのは私だけじゃなかった。









『うん、俺もそんな気がする。

 なぁ。また夢を見たら、話しようよ。


 なんか小雪と話すと、俺、元気をもらえてる気がする』






結城君の言葉に私はコクンと首を動かし、返事をした。






男の子ってバカで単純でガサツなイメージを勝手に持っていたんだけど、結城君は違う。




結城君は他の男子とは違う。





まだ色々なこと知らないからそう思えるのかもしれない。




でも、やっぱり結城君といるとドキドキもするけど、本当に心から安心できる。










ねぇ、雪さん。


雪さんも、こんな風に鷲尾さんに対して思った事、ある?














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