今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
第2章
小さな違和感…
お婆ちゃんの家に来てから一週間が経った。
お婆ちゃんの具合も聞いていたよりも良くて、お母さんは一晩泊ってから朝早くに帰って行った。
私は引き続き、夏休みの間だけお婆ちゃんの家にいることになり、炊事、洗濯、掃除を出来る範囲内で手伝った。
出来る範囲内というのは、逆にお婆ちゃんにとっては良かったのかもしれない。
家にいると、お母さんが炊事、洗濯、掃除、その全てをこなしてくれていた、だから私は家の事など何も出来ない。
初めて洗濯機を回した時、洗剤の量がいまいち分からなくて多めに入れてしまい、すすぎもしっかりしたはずなのに洋服が真っ白くなっていることもあった。
料理を手伝おうとすれば調味料の配分を間違えて甘すぎたり、しょっぱすぎたり…と、苦戦続きだった。
けど、そんな私を見てもお婆ちゃんは文句ひとつも言わないで、いつもニコニコとした顔で片づけを手伝ってくれていた。
お母さんなら悲鳴と共に怒鳴り声だって聞こえてきそうなのに……。
『あ、お婆ちゃん!
今日、結城君の友達が横浜から来るんだって!
だから一緒に遊んでくるね!』
お昼ごはんを食べ終え、洗い物をしている最中に私はお婆ちゃんに話した。
『清也君かい。楽しんでおいで』
初めて結城君に会った日、結城君が私の家まで送ってくれた時にお婆ちゃんも結城君のことを初めて見た。
初めて見た時、お婆ちゃんは固まっていた。
それもそのはず、鷲尾さんにとてもそっくりな男の子が一緒だったんだから。
けど、あれから毎日のように私は結城君と会っていたから、お婆ちゃんも結城君のことを鷲尾さんと間違わなくなった。