今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
結城君に手を引かれること15分。
見えてきた駅には電車から降りたのか数人の人達が階段から降りてくるところだった。
確かもう駅に着いたとか結城君、言ってたよね……
ってことは、もう来てるてことだよね。
階段を降りてきたところにはベンチが置かれていて、そこには一人の女の子が座っていた。
………友達が、くるんだよね………
もしかして友達って、あの女の子…?
てっきり男の子の友達が来るのかなって思ってたんだけど。
そう思っていると、ベンチに座っていた女の子がこちらを見て、ベンチから腰をあげた。
『清也』
紛れもなく、その女の子は結城君の名前を呼ぶ。
でも結城君は何も返事はせず、ただ黙々と足を動かし、その女の子の元に向かう。
結城君から少し体を左に向け、その女の子をもう少しよく見る。
サラサラの肩までの髪は風に靡き、服の裾から見える白くて細長い手足。
全体的にすらっとした体に似合わない位、出るところはしっかりと出ている。
………もしかして。
もしかして、結城君の彼女………?
そう心の中で思った時、何故か胸の奥の方でチクリと何かが突き刺さった感じがした。