今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
でもでも、ちょっと待って。
この話の雰囲気って、別れ話……?
いや別れ話に納得していない彼女に、“無理”ととどめを刺している感じ?
そしてそこに居合わせる私って………さくらさんからしたら悪役なんじゃ…。
『清也、この子のこと、本気で好きなの?』
さくらさんは真剣な瞳で結城君に問いかける。
いや、違います、結城君とは何もありません…そう心の中で叫ぶも、結城君は私の手を上に持ち上げ、そしてそのまま引いた。
きっと、それは一瞬のことー……
されど私にはそれはとてもユックリと時間が流れた気がした。
ユックリ、ユックリと結城君の顔が近づいてきて、そして唇が合わさる。
触れた唇から感じる、結城君の唇の温もりー……
唇が合わさった何秒後だっただろうか、結城君とキスしてるって分かった時、私は目をぱちぱちさせていた。
これは何かの夢?
これは何かの間違い?
混乱する頭、混乱する心を鎮めようとしてくても結城君の唇は離れてくれなくて。
私は咄嗟に結城君に引かれていた手を離し、両手で結城君の胸元を押した。