今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
なんだろう……
なんだろう……
胸の奥がザワザワする、胸の奥がヒリヒリする……
どうしちゃったの、私………。
真夏の太陽が上空から熱を送り込み、視界が朦朧とし始める。
『………結城君…………』
何故か私の唇は、そう呟いていた。
何故、結城君の名前を呼んだのかは分からない……
でも、そんなことすら考えられなくなるくらいに意識が遠のく気がした。
この感覚、この感覚の後にはいつもー………
『………雪ちゃん?』
誰かに呼ばれ、目をゆっくりと開ける。
まだ少し重く感じる瞼を上げていくと、そこには鷲尾さんが居た。
周りを見つめ、自分が置かれている状況を把握しようとする。
そしてふと気が付く、周りの景色の上下が違うことにー……
そして感じる、頬に触れている温もり……
私は勢いよく体を起こすと、鷲尾さんがニコニコと微笑んでいた。
鷲尾さんは砂浜に座り、私はそんな鷲尾さんの膝を借りていたようだった。
『雪ちゃん、気持ち良さそうに寝てたね』
そう言って優しく微笑む鷲尾さんの顔にドキッとする。
『……え……あ、ごめんなさい……私…頭重かったですよね……』
そう答えると、鷲尾さんは微笑んだまま首を横に振っていた。
『気持ち良さそうに寝ていて、寝顔が可愛かったよ』
鷲尾さんの言葉に、更に胸が高鳴っていく。
頬も熱を持ったように熱く感じて、ドキドキでどうにかなりそうだった。
『雪ちゃん、そろそろ帰りましょう。
今日は鈴ちゃんの誕生日、はやく帰ってお祝いをしましょう』
鷲尾さんはその場に立ちあがると、未だ立てない私の手を引いた。
鷲尾さんに引っ張られながら立ちあがあると、鷲尾さんは優しい笑顔をむけてくれた。