今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『………いつか、この街も戦場になるのかな…』
『なりませんよ。日本は神の国です、そんなことにはなりません。
きっと今、戦場で戦っている軍隊が必ず勝利をあげてくれますよ、きっと』
鷲尾さんは最期の“きっと”の言葉を強調した。
それはまるで“きっと”を信じたいという思いが込められているような気がした。
『……せいちゃんは学生だものね。
だから………ここに、この街に居てくれるのよね……』
雪さんはそう呟く。
それはまるで自分に言い聞かせているようにも思えた。
『大丈夫。さぁ、鈴ちゃんのお祝いに行きましょう』
鷲尾さんはそう言い、雪さんと絡めた手に力を込める。
雪さんはその力を感じながら、それに負けじと力を込め、鷲尾さんの手を握り返した。