今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
『だってそうでしょ?
だって、鈴ねぇのことを見ながら描いたんなら分かるけど。
お兄ちゃん、雪ちゃんと一緒だったじゃない?
見ていないのに、こんなに上手に描けるんだもん!
それって、いつも鈴ねぇのこと、見てるからだよね?』
幸子さんの続く言葉に、周りの人は全員黙る。
『あれ、違うの?お兄ちゃん?』
幸子さんは鷲尾さんの所に周り、鷲尾さんの腕を揺らしながら問いかける。
『……あ、えっとね、幸子。
雪ちゃんと鈴ちゃん、似てるでしょ?
だから、雪ちゃんを見ながら描いたんだよ』
鷲尾さんの言葉に、幸子さんが口を尖らせる。
『お兄ちゃんって最低。
雪ちゃんと鈴ねぇは違う人なんだよ?
だから、鈴ねぇを描く時は鈴ねぇを見なきゃ!』
『あ、でも鈴ねぇ、また最近綺麗になったから、直接見るのが照れ臭かったんだ!』
幸子さんの年齢からそういう言葉が飛び出すと言うのは、どれだけ女の子は言葉に達者なのか、と思わされる。