今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
だから出逢った
いつも、雪さんの記憶に触れる度に思う。
同じ好きという想いがあるはずなのに、好きだからこそ意見が交わらない。
どうして?
どうして?
どうして雪さんと鷲尾さんがそんな恋をしなきゃいけないの?
『………どうして………?』
『……俺がどうしてだよ……』
不意に聞きなれた声が聞こえ、私は重い瞼を動かす。
視界に映る景色、そして何かの温もりを感じながらの揺れ……
『……………結城君!?』
私がそう呼ぶと、呼ばれた人物は顔を少しだけ横に向けた。
『ったく!お前は人に心配させんのが趣味なのかよ!』
結城君の声は少々荒くて、私はビクッとなる。
『お前、道路の真ん中で倒れんのやめろよ!』
『……道路の真ん中……?』
『駅から帰る途中の道路の真ん中で倒れてたんだよ!
どうせ夢を見てたんだろうけどさ!
心配させんなって!』
あ………そっか。
確か結城君が結城君の彼女と話しているのを見て、なんかモヤモヤ、ヒリヒリする…と思ってその場を離れたんだよね。
それでまた雪さんの記憶を見ていて………
『…………彼女は?』
『突っ返した』
『あんなに綺麗な人、なかなかいないのに。
結城君、勿体ないことするよね……』
私がそう言うと、結城君は深いため息を吐いた。