今度こそ、ずっと、あなたの隣にいる
恋心は突然です
結城君を追いかけることが出来ずに、私は一人、お婆ちゃんの家に帰宅した。
門扉のところまで来ると、お婆ちゃんが庭の花に水をくれている姿が目に入る。
お婆ちゃんに水をかけられた花はまるで生き返るように、その水と共に輝いているように見えた。
しばらくその姿を見つめていると、お婆ちゃんが私のいる方に水をかけるため体をこちらに向けた。
そこでお婆ちゃんの視線と重なり、お婆ちゃんはにこやかに微笑んだ。
『小雪ちゃん、お帰り。
清也君の友達とは沢山遊べたかい?』
お婆ちゃんの声に誘われるまま、私は中に入る。
お婆ちゃんのすぐ横まで行く。
お婆ちゃんのニコニコと微笑む顔に結城君とのやり取りを思い出し、再び私の目からは涙が零れていった。
『小雪ちゃん?
どこか痛いところでもあるのかい?
清也君とケンカでもしちゃったのかい?』
お婆ちゃんは私の肩を掴み、そして問いかけてくる。
私はお婆ちゃんの問いかけに首を横に振った。
結城君ケンカした訳じゃないー……
ただ結城君が他の男の子とは違って、私に安心を与えてくれる人だと思っただけ。
私がその感覚に結城君のことが好きなのかもって思って先走っただけ。
『………お婆ちゃん、聞くよ?
そこの縁側に腰かけて、お婆ちゃんに話してごらんよ』
私はお婆ちゃんに押されるがまま、縁側に腰かけた。
その横に座るお婆ちゃん、そしてお婆ちゃんは私の頭を優しく撫でてくれた。
『どんなに小さなことでも構わないよ。
小雪ちゃんの涙の理由を話してごらん』
何故だろう……
お婆ちゃんの言葉に、私は何故か、話そうという気になれた。
と、いうよりも、お婆ちゃんに聞いてもらいたいと思った。