カレ☆チェン〜恋のわらしべ長者計画〜
駅前大通り
夕方の涼しい風が
熱をもったクチビルの上を
心地よく吹き抜けて行く…
「ねえジロウくん。
わたひの唇 カタチ変わってなひ?」
「え…いや 特には」
「そっか…
なんか、自分的には
"顔の半分くらひ濡れたクチビル"
って感じなんだよね」
「セクシーいいじゃん」
「…そうぃう問題じゃないんだけど」
「ハハハハ」
…まぁ
食べ物の消化とクチビルのハレは
時間が解決してくれるからいいとして
なんか…
ジロウくんて
優しいのとは違う気がしてきた
あ、優しいよ?
二階まで運んでくれるし
こーやって駅前まで送ってくれてるし…
でもなんかほら
…メニュー決めるの早いのはいいけど
こっちに好きなの聞いてくんなかったし
それでノーマルな
フツーのハンバーガーとか
あたりさわりないもの選ぶならいいけど
テレビで、辛い物王者ですら
辛いと叫んでたマニアックなものを
セレクションしてくるとか…
―― うん。
ヒロコちゃんじゃないけど
…なんか違う。
次いこー! 次ッ!!