カレ☆チェン〜恋のわらしべ長者計画〜
「…恋を…したんだ…」
―― シロウさんは
夜風に晒され
少しひび割れ始めた
白塗りの顔をあげて ―――
模様かもしれないけど
その頬には、涙の痕…
マントがたなびいて
まるで、これから沈んで行く
悲しい運命を背負った船の
船長サンみたい…
あたしは…『恋をした』って
その台詞を聞いた瞬間
自分も、涙をこぼしていた…
どんな事があったんだろう
こんな風になるまで…
それを想像したら
泣かずになんかいられないよ…!!
「…シロウさん!!話して下さい!
あたし、全部聞きます!
受け止めますから!!」
「…ちぃちゃんは…いい子だね」
「そ、そんな事ないですよ!!
『ちぃは、根が腐ってる』って
あたし、様々な各方面から
ホントによく、言われますから!!」
「…そんな事ないよ
こんな俺につきあって…
そんな女子高生、滅多にいないさ…」
… どうしたんだろうあたし
すっごく、ドキドキしてる…
噴水の水を照らし始めた
カラフルな照明が
点滅しながら
夕闇のシロウさんを、彩って行き…
どうしよう…あたし
もしかしたらシロウさんに
恋…しちゃったの…?!