Airis
「的場先生なんですか………って、え?!沙衣さん?!」
そこから入ってきたのは、
この間わたしを助けてくれた真鍋先生だった。
「いや、今日で診察最後だから真鍋に言っといた方がいいかなー、と思って」
さらっと言ってパソコンに向き直る的場先生。
「外まで送ってやりなよ」
「あ、はい……」
「次の方どうぞー」
次の患者さんを呼んだため、
わたしと真鍋先生で慌てて診察室を出る。
「とりあえず……行こっか」
外科から正面玄関までは、
はっきり言って近い。
ゆっくり歩いても1分くらいだろう。