Airis
「真鍋先生の名前はなんていうんですか?」
「………え?」
わたしの言葉に落ち込んだ真鍋先生。
いや、ケータイに登録してあるんだけど。
「わたし勉強からっきし出来なくて、漢字も難しいの読めないんです」
「ほー……意外かも。いや、でもなんかいい。ギャップが?」
わたしはよく初対面の人からは、
しっかりしてそうとか言われるんだけど。
「仲いい友人からは沙衣って見かけによらず馬鹿だよね、って」
高校時代からの友人なんかは、
もうわたしがしっかりしてるようには見えないらしい。