Airis



「さーえ」



俺がちょっと沙衣に見惚れた間に、
こそこそとニンジンを俺の皿に移していた。


「えー、だって……」



「もう……じゃあ今日は特別。さっき1個食べたから」



パクッとニンジンを食べると、
尊敬の眼差しで見てくる。


………そんなに凄いことじゃないけど。



ニンジンが嫌いなんて、
やっぱり沙衣は子供っぽい。


もしかしたら他にも嫌いなものあるかもしれないし。



そんな沙衣の嫌いな食べ物を知った初めてのディナーは、

なんだかんだ楽しく終わった。




< 116 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop