Airis
優苗side
「お、優苗おはよー」
「……おはようございます」
「どうかした?なんか声が小さくない?」
「そんな……気のせいです」
そうか、と真鍋先生が向こうに行ってしまうと思わず止めていた息を吐いた。
正直、昨日から体の調子が悪い。
………というより喘息の前触れの気がする。
胸のところが痛いというか痒いというか熱いというか。
上手く酸素が行き渡っていない、というのが明らかに分かる。
だけど昨夜こっそり薬をあさったら、
喘息の薬は全て切れていて。
咳止めがあったけど、発作でそれが使えないことくらい医者であるわたしがよく知っている。