Airis
そんな優しい岡崎さんには、
しっかりと黙っておくように頼んだ。
「じゃあこの薬をご飯の後に飲んでね…」
ばいばーい、と手を振る男の子が診察室を出たところで午前の診療は終了。
なんとか乗り切ったけど、
午後はかなり厳しいかもしれない。
「はあ………」
「優苗先生、やっぱり休んだ方が」
「ん?あ、ごめんね、大丈夫。溜息なんかついたら幸せ逃げちゃうね。
岡崎さんお昼行ってきていいよ」
岡崎さんが渋々とお昼に向かったところで、わたしは机に突っ伏した。
誰か薬持ってないかなあ………
大地と真鍋先生以外の誰か。