Airis




大地に謝らせてしまうなんて。


自分が情けなくなる。



「………そうだ、今回は優苗が悪い」



椅子に座ってこちらに近付いてきながら、真鍋先生は言った。




「俺、朝ナースステーションで会ったとき聞いたよな?」



いつもより低くなっている声は
怒っている証拠だ。



「主治医に体調不良を隠すってどうなの?治したくても治せないんだよ、言ってくれないと」



「ごめん…なさい…」



はあ、と溜息をつくと立ち上がって点滴を確認し、大地の方を振り向いた。






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