Airis
『もしもし、沙衣?』
「沙衣のケータイだよ?」
『ふふっ、確かに………今何してんの?』
「………夢の中」
寝てる、とは言えなくて。
さっきまで夢を見ていたからとっさにそう答えた。
『なにそれ、昼寝でもしてた?』
「まあね」
『今日早くあがれそうなんだよね……だからどっか行かない?映画かなんか』
ふと、脇にある薬が目に入る。
「………うん、行く!」
結局そう答えちゃうわたし。
だってタケルから誘われて嬉しくないわけがない。
で、わたしは昔から楽しいことは何でもする人だ。